これからカメラを始めたい!カメラを趣味にしたい!と考えられている皆さま、はじめまして。
カメラはどんどん進化しており、特に現在はミラーレス一眼カメラのオートフォーカス(AF)機能など目まぐるしい成長を遂げています。
また、スマートフォンのカメラなども数年前に比べて綺麗な写真が撮れるようになり、条件によっては一眼レフやミラーレスに肉迫するまでになってきました。
しかし、まだ一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラの方が画質に優位性があります。
何よりも写真を撮るという楽しみや満足感は、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラの方が圧倒的に上であると思います。
さて、そのカメラを趣味としてより楽しむためには、機能や知識を理解する必要があります。理解するのに重要な3つの設定「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」があります。これを理解する事で、カメラ撮影の理解が深まります。
別の記事でもカメラ撮影をするにあたって、現地でどのような設定をしてどのように撮影を行ったかの様子を別記事に載せていきたいと思います。
天候や時間帯、その時々の状況によって撮影方法は変わってくる事や、撮る対象物や何を見せたいかによっても変化します。私自身の撮影方法で恐縮でありますが、特に初心者の方が写真撮影をするにあたって分かりやすく、そして自分とは違う目線で撮影をしているのかを参考にしていただければと思います。
私自身も撮影を通して初心に戻る事で新たな視点や考え方に気づいたり、撮影をしていく上でのモチベーションにも繋がると思います。ぜひ一緒にカメラを楽しみながら、共に撮影技術を上げて充実したカメラライフを送ってければと思います。
※Sonyのミラーレスカメラを使用例として説明していきます。他メーカー機種の場合、名称は違うかもしれませんが基本的に同じです。

撮影前に、カメラの設定をしておきましょう。
初心者の方におすすめの設定や基礎知識を、次のとおりピックアップしてみました。
初心者にすすめる「モードダイヤル」とは
カメラの「モードダイヤル」には、メーカーや機種によって違いがあります。どのカメラも共通である基本的なモードは4種類あります。
P プログラムオート
露出(シャッタースピードと絞り)は、カメラが自動で設定を行います。その他の設定は自分で変更できます。
A 絞り優先
背景等をぼかしたい場合、絞り値(F値)を変更する事で、ぼけ量を調整する事ができます。
S シャッタースピード優先
動きの速いものを撮影する場合や、シャッタースピードを遅くして動きを表現する事ができます。
M マニュアル露出
露出(シャッタースピードと絞り)を自分で変更して、好みの露出で撮影ができます。
シチュエーションにもよりますが、私が撮影する場合のほとんどが「Aモード」を使用しています。「Aモード」選択時にシャッタースピードを速くしたい場合は「ISO感度」の数字を上げれば、シャッタースピードを調整する事が出来ます。この方法を知っていれば基本的に「Aモード」で事足ります。
他に「Sモード(シャッタースピード優先モード)」や、「Mモード(マニュアル露出)」を状況により使用する事もありますので、用途に応じて変更して下さい。
初心者が理解するべき「絞り(F値)」について
レンズを通る光の量を、コントロールする機能を「絞り」と言います。絞りの別の名称を「F値」(えふち)とも呼ばれます。
「絞り」
絞り値を変更する事で、レンズ内にある金属板(絞り羽根)の開き具合が変わります。それによってレンズを通る光の量が変わります。
このようにF値の数字を小さく(F2.8)すると、光の入ってくる量が増えるのはご理解いただけると思います。光の量が増えると、「シャッタースピード」を速くしたり、明るくする事が出来ます。
またF値の数字が小さい程、ピントの合う範囲が狭くなります。(被写界深度が浅くなるといいます。)
一方、F値の数字を大きくすると、手前から奥まで全体にピントが合った写真を撮る事ができます。
※「F2.8」から「F4」に数字を上げる事を「1段絞る」といい、逆に「F4」から「F2.8」へ下げる事を「1段開ける」といいます。
絞り値の数字は最初覚えにくいですが、数字を一つ飛ばしで見ると覚えやすいと思います。
まず「F2、F4、F8、F16、F32」を見ます。数字が倍になっているのがわかります。
同様に「F1.4、F2.8、F5.6、F11、F22」も同じように倍となっています。(F5.6からF11は厳密には倍ではありません。)
頭の「F1.4」と「F2」を覚えていれば、後は数字を「倍」にしていけばいいわけです。

「1段開ける」「1段絞る」という言葉を覚えておいて下さい。
今後、「1段」という言葉はカメラを理解するのに必要です。
初心者におすすめする「オートフォーカス(AF)」について
オートフォーカス(AF)とは、フォーカス(ピント)を合わせたい被写体に対して自動で合わせる機能です。AFはめまぐるしい進化を遂げており、最新の機種と数年前の機種とでは圧倒的にフォーカス速度に差があります。動きものを撮影する場合は最新機種が有利ですが、静止物を撮影する場合だと旧型の機種でもまったく問題はありません。私も旧型のカメラを使用していますが、静止物の撮影をメインに撮っているので問題ありません。
※被写体(ひしゃたい)とは、写真で撮影される対象物のことです。また、よく似た意味合いで主題(しゅだい)という言葉があります。これは写真のメインとなる被写体の事です。
「オートフォーカス(AF)の種類」
オートフォーカスには「AF-S」「AF-C」「AF-A」「DMF」「MF」があります。
※ソニーのミラーレスカメラの場合
AF-S(シングルAF)
シャッターボタンを半押しするとオートフォーカスが機能します。ピントが合うとピント枠の色が変わり、合致した事を知らせてくれます。
一度ピントが合うとそこでピントは固定されます。被写体がレンズに対して平行に動く場合はピントが外れることはありませんが、前後に動かれるとピントが外れるので注意が必要です。基本的には動かない物に対して使用する事が望ましいです。
ソニーのオートフォーカスは、「ファストハイブリッドAF」を搭載しています。このAFは、速度に優れた「像面位相差AF」でピントを合わせてから、精度の高い「コントラストAF」で最終ピントを合致させます。明るいシチュエーションではピント速度と精度は高いのですが、薄暗い場面等ではピント速度は遅くなったり、ピント精度も甘くなる事があります。
AF-C(コンティニュアスAF)
シャッターボタンを半押ししている間、オートフォーカスが常に働き、ピントを合わせ続けます。左右前後に動く被写体を撮影するのに向いています。
AF-Cでは「像面位相差AF」のみでピントを合わせ完結するので、AF-Sよりも高速にピントを合わせる事が可能となります。
私は基本的にピント速度が速く、風で揺れる花を撮影する場合など前後に動く場合にも対応できるAF-Cをよく使用しています。欠点としては暗いシーンではAF-S以上にピントが合わないといったマイナス面もありますが、明るい場所ではAF-Cの方が使い勝手がよくお勧めのオートフォーカスとなります。
AF-A(AF制御自動切り替え)
シャッターボタンを半押しすると、被写体が止まっているか動いているかを判断し「AF-S」にするか「AF-C」か自動で切り替わります。
私は「AF-A」は基本的に使用しません。シチュエーションや状況によって自分で「AF-S」か「AF-C」を自分で選択した方が撮影の効率がいいです。
DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)
フォーカスロックをするまでAF-Sと同じです。違うのはフォーカスロックの半押し状態のまま「ピントリング」を動かすと「マニュアルフォーカス」に切り替わります。
DMFをお薦めする一番の理由は、オートフォーカス(AF)でピントを合わせても撮影者の思った通りの場所にピントが合わない事があります。その場合、何度も撮影しては撮影後チェックを繰り返しピント位置を確認する事になります。ピント位置がカメラ任せである限り何度ピントを合わせても思い通りの場所に合わない事が多々ありました。そのような場合、DMFを使用する事で最後のフォーカス位置を自分で微調整して撮影する事が可能です。こういったシチュエーションではこのDMFは大変便利です。特に「親指AF」と併用する事で、非常に使いやすいです。
マニュアルフォーカス(MF)で最初からピントを合わせる方法もありますが、カメラやレンズ側で「AF」から「MF」に切り替える必要があります。また「MF」はピント位置がゼロからスタートするのに対し、「DMF」は先に「AF」でピントを合わせた位置からスタートするので、少しの調整範囲でピント合わせが可能となります。
※ソニーのカメラを使用されている方は「AF-S」より「DMF」が便利です。「DMF」はSONYカメラのオートフォーカス機能の一つです。
MF(マニュアルフォーカス)
カメラに任せずに手動でピントを合わせる機能です。現在のオートフォーカスは優秀で、一部の撮影を除いてマニュアルフォーカスを使う機会はずいぶん減ってきましたが、マクロ撮影や被写界深度の浅いレンズで撮影をする場合に使用して下さい。
また三脚を使って撮影する場合、花火撮影など長時間露光で撮影する場合などにもマニュアルフォーカスは活躍します。花火が上がるタイミングまでシャッターボタンを、半押し状態で維持し続けるのは大変なので、マニュアルフォーカスを使います。花火が上がる位置の建物等、ピントを合わせやすい被写体にピント位置を決めておき、撮影を開始するタイミングでシャッターボタンを押して撮影をします。(この時、カメラ設定で「自動電源オフ機能を解除」しておかないと待機中にカメラの電源が切れてしまします。)
もう一つ注意点として、三脚を使用してもシャッターボタンを押し込む事で微量な揺れが発生する可能性があります。対策としてはリモコンか、タイマー(2秒)を利用する事で、シャッターボタンによる微ブレを防ぐ事が出来るのでこの対策は覚えておくと便利です。
※長時間露光(ちょうじかんろこう)とは、シャッタースピードを遅く(長く)して、レンズから多くの光を取り込む撮影方法です。花火や滝のような動きのある被写体を撮影する場合に使用します。
「フォーカスエリア」
オートフォーカスで撮影するときの、フォーカス枠の種類の事です。被写体の位置や大きさに応じて、適切な「フォーカスエリア」を選択して撮影をします。種類は「ワイド」「ゾーン」「中央固定」「スポット・拡張スポット」から選べます。
ワイド
モニターのほぼ全体がピント範囲となります。子供や動物、スポーツなど、被写体の動きが予測しにくいシチュエーションに適しています。
特にカメラ撮影を始めた方など、機械任せてピントを合わせて撮る場合「ワイド」を選ぶと簡単に撮影する事が出来るのでお勧めです。また「ワイド」は「AF-C」と相性がよく、リアルタイムにフォーカス位置が変わります。基本は、真ん中で手前の物にピントが合う傾向となります。私も動く物や予測しにくい物を撮影する場合「ワイド」+「AF-C」で撮影する場合があります。被写体の動きが予測しにくい場合など「ワイド」の使用がお薦めです。
ゾーン
「ワイド」より狭い範囲のフォーカスエリアを自分で設定する事で、「ワイド」より狙った場所にピント合わせをする事が可能となります。
動く物をある程度予測出来る場合で、ピントを「ワイド」より合わせやすくエリアを自分で動かせるので便利です。「ワイド」より自分の狙ったピント位置に合わせやすく、不要な場所にピントが合わないように設定できるので上手に利用できれば使い勝手のいいフォーカスエリアです。
中央固定
モニター中央付近でピントを合わせることができます。「フォーカスロック」と併用して使用するのに適しています。中央でピントを合わせてから、フレーミングをずらして撮影するスタイルはカメラ撮影の基本となります。ただし、「スポット」を中央に合わせれば「中央固定」と同じ機能になる為、私はあえて「中央固定」を選択する事はないです。
※フォーカスロックとは、被写体にピントを合わせたまま左右上下にカメラを振って構図を調整して撮影するテクニックです。
スポット・拡張スポット
モニター上の好きな箇所に、フォーカス枠を移動してピントを合わせる事ができます。フォーカス枠を中央にしていれば「中央固定」と同じです。
ピントを合わせる枠のサイズも「S」「M」「L」から選択できます。「S」や「M」のサイズでピント枠を小さくしてピントを合わせたい場所に、ピンポイントで合わせて撮影する事が可能です。
この「スポット」は私が一番よく選ぶフォーカスエリアです。基本、枠の大きさは一番小さい「S」を選択し、狙った箇所にフォーカスを合わせて撮ります。枠が小さい事によりコントラストが低いピント面だと合わない場合があるので注意が必要です。面よりエッジ部分にフォーカスを合わせるとピントが合いやすいので意識して選ぶとフォーカスが合いやすいです。それでも合いにくい場合は「M」のサイズにする事により枠が少し大きくなりますのでピントが合う確率が上がります。
※動きのある物を撮影する場合は、フォーカス枠のサイズを「L」サイズにしたり「AF-C」を併用する事である程度対応も可能です。

「スポット」を中央にすれば「中央固定」と同じになる事と、ピントを合わせる枠のサイズが変更できる上に、フォーカスエリアを移動することもできて大変便利です。私は「スポット」を一番よく使用しています。
初心者が理解するべき「シャッタースピード」とは
シャッタースピードは「光を取り込む時間=シャッターを開けている時間」となります。
例として「1/250」は250分の1秒間だけシャッターが開くという事です。シャッタースピードが速い程、動いている被写体が止まって写ります。
一方で、シャッタースピードを遅くすると、動いている物が流れたような表現が可能となります。またシャッタースピードを下げると手ブレをしてしまう為、三脚等でカメラが動かないようにして撮影する事をお薦めします。
仮に「5秒」で設定した場合、5秒間シャッターが開きます。シャッターが開いている間記録されているという事は、その間動いている物はすべてブレたり流れる写真として写ります。その為に手ブレをおこさないようにシャッタースピードを上げるのです。
・動体撮影(1/400~1/1000程度)
・スポーツ(1/500以上)
※動きの程度によってシャッタースピードの目安は変わってくるので、参考程度とご理解下さい。
シャッタースピードは次のように増えていきます。
※「1/30」から「1/60」にする事を、「シャッタースピードを1段上げる」といいます。
シャッタースピードが速いと動きが止まったように写ります。水の動きと粒感が描写されているのが分かると思います。
また、シャッタースピードが遅いと動きが流れるように写ります。水が絹の糸のように表現されているのが分かると思います。

「1/2」から「1/4」にシャッタースピードを上げる事を「1段早くする」「1段上げる」といいます。
「1段」という言葉は「F値」と同じ様に覚えて下さい。
初心者が理解するべき「ISO感度」とは
ISO感度はレンズから入ってきた光を、イメージセンサーでどのくらい増幅させるかの指標になります。感度を高くすると、少ない光量でも明るく写真を撮影することが可能となります。
カメラ内に入ってくる光の量は、「絞り」と「シャッタースピード」で決まり、その光の量から適切な明るさになるように光を増幅させます。分かりやすく説明すると「絞り」については、「絞り羽根の変化」の画像のとおり金属板が開く程、カメラ内に光が多く入るのは理解できると思います。一方「シャッタースピード」については、シャッタースピード「1秒」だと「1秒間」カメラ内に光が入るのでシャッタースピードが遅い程、カメラ内に光が多く入るのが理解できます。つまり光の量は、「絞り」と「シャッタースピード」で決まるのです。
ISO感度は、標準で「ISO100~ISO51200」といった範囲で調整します。「ISO100」に対して「ISO200」は2倍の感度となり、「ISO100」の時に比べて光の量が半分の量で同じ明るさの写真を撮ることができます。「ISO100」から「ISO200」へ感度を上げる事を「ISO(感度)を1段上げる」といいます。
「絞り優先モード」で絞りを自分で決めた場合、「シャッタースピード」と「ISO感度」はカメラが自動で決めてくれます。
ISO感度の数字を上げれば上げる程、光の量が増えると理解して下さい。ISO感度を上げるには、電気的に増幅させて光の量を増やします。そのため、代償として写真にノイズ(ザラつき)が増えたり、カラーノイズといった色の再現性が失われていきます。
「ISO100」では、拡大してもノイズはありませんが、「ISO3200」ではノイズが目立って、ディテールが失われているのが分かります。拡大していない画像だとノイズが目立たない事もあり、スマホの小さな画面やSNSなど画像を縮小してアップする場合もノイズは目立ちにくいので気になりにくいと思います。撮影者がどこまでノイズを許容するかがISO感度の許容範囲となります。また、カメラのセンサーサイズによってもISO感度のノイズ量も違います。私はどうしても等倍拡大で「ノイズ」や「ディテール」を気にしてしまう性格なので、私のカメラ(APS-C)では、ISO800までに抑えたいところです。どうしても光の量が足りない場合は、ISO1600や3200に上げることもあります。
ISO感度は、光の量が増えるので「シャッタースピード」を上げる事も出来ます。暗い場所での撮影はもともとの光が少ない為、ISO感度を上げないと手ブレさせないシャッタースピードの確保が出来ません。
手振れしないギリギリのシャッタースピードで、ISO感度を下げて画質劣化を避けるか、余裕を持ったシャッタースピード(ノイズが増える)で手ブレを回避するかは撮影者が選択をします。
基本的にカメラのセンサーサイズによってノイズの量が決まります。実際に撮影してみてどこまで許容できるか把握しておくと失敗が減ります。

「ISO100」「ISO200」「ISO400」「ISO800」「ISO1600」「ISO3200」と数値が倍になる事を「1段上がる」という事を覚えて下さい。
「F値」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つの「段」がある事が理解できたと思います。この3つの「段」は別の記事で詳しく説明をしていきます。
初心者が理解するべき「ホワイトバランス」について
初心者の方は基本「AUTO」で大丈夫ですが、色合いが気に入らなければ手動で他のホワイトバランスに変更しましょう。
ホワイトバランスは、撮影環境の光の色の影響による白色を補正する機能です。
光にはさまざまな種類により色が変化するので、ホワイトバランスによって実際に見た通りの色に合わせる必要があります。
※光のさまざまな種類(日中に比べ、朝日や夕日は赤く染まります。日の光は時間によって変化します。また、晴れの日や曇りの日によっても光の色は違います。)
「RAW現像」という後処理をする事で、画質を劣化させる事なく「ホワイトバランス」を後から設定する事が出来ます。私は基本「RAWデータ」で撮影し、「RAW現像」で「ホワイトバランス」や「画像調整」等を行う事で、自分のイメージした色や記憶していた色で仕上げています「RAW現像」をされていない方はぜひチャレンジしていただきたいです。カメラや写真の知識も上がりますし、何をどう見せたいかの表現力も養われます。
色の違い(ディスプレイ・モニター)
せっかく、カメラ撮影時に「ホワイトバランス」等で自分好みの色に合わせても無意味に終わるケースがあります。それは、カメラのモニターによる色の違いです。カメラで撮影を鑑賞する場合は問題ありません。
カメラのモニターやファインダー、スマホの画面等さまざまな媒体ごとに色や画質が違います。色を合わせる場合に一番大事なのは、出口(最後)を決める事です。
私の場合、パソコンのモニターで色の最終決定をしています。パソコンのモニターで、撮影した写真のチェックや鑑賞をしているからです。
SNSが当たり前の昨今では、ほとんどの方がスマホで見ていると思います。そのスマホの画面も、「有機ELディスプレイ」「液晶ディスプレイ」などディスプレイの種類によって発色が違います。さらに同じスマホであっても、個体差による色の差があります。私が所有しているスマホの画面は「有機ELディスプレイ」だという事もあり、黒色が強調される傾向にあります。私がスマホで見るのを最終にする場合、パソコンの「RAW現像」で調整時に黒色を弱めてあげる事により、スマホで見たときに黒色が強調されすぎないバランスに調整します。
おそらく初心者の方は、カメラで「ホワイトバランス」や「色設定」をして撮った画像をスマホに転送する方が多いと思います。その場合も同様に、出口である「スマホの画面」と「カメラのモニター画面」の色がどれくらいの差があるかを把握する事でスマホの画面に思った色合いに近づくと思います。このような設定が手間である場合は、スマホの無料アプリの「Snapseed」「Lighiroom」等で色調整を行うとよりイメージ通りに仕上げる事が可能です。
AWB(オートホワイトバランス)
どのようなシーンかをカメラが判別して、ホワイトバランスを自動で調整してくれるのが「オートホワイトバランス」です。
基本、カメラの初期設定ではオートホワイトバランスに設定されています。様々なシーンで自然な色合いになるよう調整されていますので、まずはAWBで撮影してみましょう。
あきらかに色が違う、または色が好みでない場合は、ホワイトバランスを切り替える事で見た目に近い色合いとなります。
太陽光
晴天の屋外に適しています。基本的に色温度が5000ケルビン程度の設定となっています。これは太陽光の色温度と同じような値です。昼間の風景写真や屋外で「太陽光」を選ぶと空の青さや緑の鮮やかな景色が再現されます。
日陰
日陰に適しています。赤・黄色系の色味が増すので、暖色系の写真を撮りたいときに「日陰」を選択するといいです。
曇天
曇り空に適しています。「日陰」より赤・黄色系の色味を抑えた色合いです。暖色系の写真を撮りたいときに「曇天気」を選択するとよいです。
電球
白熱球や、スタジオ等のライトに適しています。青色系の色味が増すので、クールな寒色系の写真を撮りたいときに「電球」を選択するとよいです。
蛍光灯
蛍光灯には数種類のモードがあり、いろいろな蛍光灯の光に対応できるようになっています。蛍光灯の色に合わせて選択するとよいです。
フラッシュ
フラッシュ光に適した色温度の設定になっています。フラッシュの種類によって色温度が違いますので、「微調整」で色温度を変更できます。
微調整
それぞれのホワイトバランスには、さらに微調整で少し青みを持たせる事や、赤色味に寄せるなどの微調整を行う事ができます。(太陽光、日陰、曇天など各項目ごとに微調整が出来ます。)
より実際の色合いに合わせたり、自分好みの色合いで調整が可能です。

ホワイトバランスは白を白として調整する機能ですが、より冷たく見せたい場合は青く、暖かく見せたい場合は赤くして表現する事が出来ます。
初心者が理解するべき「露出」について
露出とは、写真の明るさを決める光の量のことで、この光の量を調整することで好みの明るさに調整できます。
マニュアルモード以外(絞り優先モード、シャッター速度優先モード等)で撮影する場合、初期値の露出補正ダイヤルは基本「±0.0」になっています。これはカメラが明るさの基準として明る過ぎず、暗過ぎないバランスが「±0.0」という事です。
もう少し明るくしたい場合は、露出値を+側に補正すると画像全体を明るくできます。一方、露出地を-側に補正すると画面は暗くなります。
※露出補正は初期値の場合、ステップ幅は0.3段ずつ調整できます。(「±0.0 ⇒ +0.3 ⇒ +0.7 ⇒ +1.0」というような増え方となります。)
露出補正を調整して、実際の明るさに合わせたり、自分がイメージした通りに撮影することが可能となります。基本的に露出補正とは、実際の景色とカメラ内の景色の明るさを合わせます。しかし仕上がりのイメージを「もっと全体を明るくして爽やかな景色にしたい場合」や「もっと暗くして重厚なイメージにしたい場合」は、露出を積極的に操作する事で撮影者がイメージしたとおりに反映できす。
撮影する用途によりますが、「露出±0」で撮影すると全体的に暗めに写る傾向があります。私の経験上、少し高めの「+3」程度で撮り始めると明るさのバランスがとれる事が多いと思います。
撮影した後に「もう少し明るくしたかった」場合は「画像編集ソフト」もしくは「RAW現像ソフト」で簡単に明るくする事が可能です。私は基本「RAW現像ソフト」で処理をする前提で、明るさの調整を行っていますが、初心者の方はスマホアプリにある無料「画像編集ソフト」で明るくするのが簡単です。
※「RAW現像」については、また他の記事にて説明や操作方法等を書いていきますのでご覧ください。
適正露出
明るすぎず暗すぎない、丁度良いバランスの写真を「適正露出」といいます。あくまでカメラが適正と判断した明るさです。
基本的には「白飛び」したり「黒つぶれ」をしていない明るさの事をいいます。あくまで、主役が丁度よい明るさ(適正露出)になれば、他の部分が「白飛びや黒つぶれ傾向」になっても適正露出だといえます。
※「白飛び」とは、明るい色が完全な白色として色が飛んでしまっている状態で、「黒つぶれ」は暗い色が完全に黒く塗りつぶされた状態です。
ハイキー
「ハイキー」は軽やかな空気感を演出したり、明るい雰囲気で撮影する事ができます。被写体としては「花」や「人物のポートレート」などと相性がいいです。
露出補正で数値を上げていき、被写体を明るく合わせた場合、さらに明るい部分は白飛びする事があります。しかし「ハイキー」では白飛びしていてもOKと割り切って撮影をしてみましょう。
ローキー
「ローキー」は重厚感の演出や、落ち着いた格好いい雰囲気を演出できます。
被写体として「金属や人工物」「男性のポートレート」や「古いもの」など相性がいいです。こちらも露出補正で数値を下げていくと、暗い部分は黒つぶれしてしまいますが割り切って撮影してください。
フラッシュや太陽光等で、被写体が明るくなっている場合があります。その場合露出を下げて被写体の露出に合わせる事で、背景は暗くなりますので被写体を浮かび上がらせるような撮影方法もあります。

同じシチュエーションでも露出を変えるだけで、まったく違う写真に仕上がります。「白飛び」「黒つぶれ」が完全悪というわけではありません。
初心者が理解するべき「手ブレ補正」について
カメラ本体もしくはレンズに手ブレ補正対応している場合は、基本「入」にしておきましょう。
※手ブレ補正は、カメラ本体のメニュー画面から設定できます。またはレンズによっては、側面に切り替えがスイッチがある物もあります。
但し、三脚などカメラが完全に固定されて撮影する場合は必ず「切」にしましょう。「入」のままで撮影すると逆にブレてしまう場合があります。
※手ブレ補正は手ブレを想定した制御を行っているため、三脚のように完全にブレを防いでしまう事で逆に誤動作を起こしてブレが発生する場合があります。

手持ち撮影 ⇒ 手振れ補正「入」
三脚による撮影 ⇒ 手振れ補正「切」
撮影前に必ず設定変更をしましょう。
手ブレ補正【1/焦点距離】※35mm換算
手振れ補正機能がない場合でも、基本的に「1/焦点距離」を確保していれば手ブレしにくいとされています。但し、撮影の環境や撮影者による差もあるので、あくまで目安という事です。
「1/焦点距離」というのは、レンズに記載されている焦点距離に関係します。(18-55mmなどの表示がそれです。)
50mm(35mm換算)の焦点距離で撮影する場合は、シャッタースピードが「1/50秒」より速いシャッタースピードにすればブレにくいという事です。
※よく「35mm換算」または「フルサイズ換算」という言葉を聞くと思います。これはセンサーサイズが異なる場合でも、焦点距離による数値に統一性を持たすために「35mm換算」に合わせる必要があります。
手ブレの種類(手ブレ・被写体ブレ)
手ブレには2種類あり「手ブレ」と「被写体ブレ」があります。どちらも写真がブレた状態で写りますが、原因が異なります。それぞれの違いは次のとおりですので理解しておいて下さい。
手ブレとは
手ブレとは主に手持ち撮影で、カメラが動くことにより写真がブレてしまう事です。シャッタースピードが遅い場合にブレる事が多いです。手ブレを回避する方法として、手ブレ補正機能のあるカメラやレンズを使う。または適切なシャッタースピードで撮影する事です。※「1/焦点距離」より速いシャッタースピード。
私が常に手ブレ対策として気を付けていることは、「息を吐きながらシャッターボタンを押す」もしくは「息を止めたままシャッターボタンを押す」事です。他にはシャッターボタンを優しく押す事や脇をしめる事、何かにもたれて撮影する等でより手ブレを抑える事が出来ます。
被写体ブレとは
被写体ブレとは、被写体等が動く事によりブレてしまう事です。被写体や動く物のスピードとカメラのシャッタースピードを、適切な設定に合わせる事で被写体ブレを回避できます。
手ブレはカメラやレンズの手ブレ補正機能である程度は改善しますが、被写体ブレはシャッタースピードと動く物のスピードで決定します。
対策としては、被写体の動くスピードを考慮して、適切なシャッタースピードを設定する事です。
初心者が理解するべき「焦点距離」について
焦点距離で大事な事は、数値によって「画角」が変わる事です。数値が小さいほど、広い範囲を写すことができ、数値が大きいほど狭い範囲となり遠くの物を大きく写すことができます。
35mm換算(焦点距離)
「フルサイズ」と呼ばれるセンサーを搭載しているカメラの場合は、レンズに表記されている焦点距離のままです。
(例:24-70mmの場合、24mm~70mmまで自由に焦点距離を変更する事ができます。24mmに合わせた場合、焦点距離は「24mm」のままです。換算しなくていいです。)
「APS-C」の場合は、フルサイズセンサーより小さい為レンズの焦点距離に「1.5」を掛けた数値が「35mm換算」となります。
(例:18-50mmの場合、焦点距離は「1.5」を掛けた「27mm~75mm」となります。)
※Canonは同じ「APS-C」センサー規格ですが、少しセンサーサイズが小さいです。そのため「1.6」を掛けた数値になります。
「マイクロフォーサーズ」の場合は、フルサイズセンサーより小さい為レンズの焦点距離に「2」を掛けた数値が「35mm換算」となります。
(例:12-60mmの場合、焦点距離「2」を掛けた「24mm~120mm」となります。)
焦点距離の目安
・焦点距離:24mm 角度は約84℃(広角)
・焦点距離:50mm 角度は約46℃(標準)
・焦点距離:85mm 角度は約29℃(中望遠)
・焦点距離:200mm 角度は約12℃(望遠)
・焦点距離:400mm 角度は約6℃(超望遠)
※レンズの焦点距離24mm~35mm程度のレンズが「広角レンズ」と呼ばれます。他にも「標準レンズ」や「望遠レンズ」もあくまでこのくらいがそう呼ばれるという事で厳密な基準はありません。なお、違うレンズで同じ焦点距離でも同じ角度でない場合があります。
初心者が理解するべき「構図」について
構図とは「被写体や画面情報をバランスよく配置し、どう切り取るか」という見せ方の事です。自分が何を伝えて、どう見せたいのかを相手に伝える事に「構図」は大きな役割を持っています。構図にはたくさんの種類がありますが、ここでは8種類の構図をお伝えします。
構図は決められた枠の中で、どう主役を引き出せるかを考えながら撮影をしています。基本的な構図は参考にしながら、バランスのいい写真を意識しながら撮影する事が大事です。構図を決めて撮影して終わりではなく、アングルを少し変えてみたり焦点距離を変えて撮影する事も大事です。少しの違いが大きな違いとなる場合もありますし、比較していく事で見る目が養われていくと思っています。
日の丸構図
日の丸のように画面の中央に被写体を置いた構図の事です。
被写体を真ん中に配置する事で、何を見せたいのかハッキリします。
シンプルな構図となる為、場合によって味のない印象の写真となる場合もあります。
三分割構図
画面を縦・横に三分割し、線の交わった四か所に被写体を配置する構図の事です。
被写体が画面中心からズレる事で、空いた空間に広がりを感じさせたり、ストーリー性を持たせてくれます。
線の交わった四か所のどこに被写体を置くかで大きく印象が変わります。
シンメトリー構図
上下または左右で対象になるように配置する構図の事です。
見た感じはシンプルでバランスのよい写真に仕上がりますが、水平・垂直を保つ事と真正面から撮影する事が大事です。
対角線構図
対角線上に被写体を配置する構図の事です。
動きや奥行き感のある写真を撮りたい場合におすすめです。
放射線構図
画面の一点から放射状に伸びていく構図の事です。写真に奥行き感が生まれます。
画面一点を中央以外にも位置をずらす事で、様々な表現が可能です。
二分割構図
画面を縦・横に二分割するように配置する構図の事です。
安定感や落ち着いた印象を与えます。
三角形構図
被写体を三角形の形で表現する構図の事です。
安定感と奥行き感がある写真になります。
トンネル・額縁構図
被写体の周りに窓枠や木などで囲むように配置された構図の事です。
周りを囲むことにより被写体がより注目され、奥行き感や雰囲気のある写真となります。
S字構図
アルファベット「S」の形で表現する構図の事です。曲がりくねった道などS字等の曲線を生かした構図で写真を撮る事で遠近感や滑らかさが表現できます。「S字」以外にも「C字」もあります。
初心者が理解するべき「画質モード」について
「画質モード」とは撮影した画像を保存するときのファイル形式と画像の圧縮率を決めるものです。
RAW
デジタル処理していないイメージセンサーからの生データです。
パソコン等を使って撮影後の写真データを元に、記憶の風景色を再現したり自分好みの色合いに調整できます。通常の画像編集ソフトと違い、生データを調整できるので基本的に画質劣化がありません。
画像を劣化させる事なく、露出やホワイトバランス、色合いや様々な項目を調整できます。
※「RAW現像ソフト」で調整した後、最終JPEG形式のデータとして保存します。
ファイン(JPEG形式)
カメラで撮影した画像をJPEG形式で記録されます。(カメラで設定された露出やホワイトバランス、色合い等が反映された画像で記録されます。)
JPEG形式の画像は、1677万色のフルカラーに対応しており高画質のまま記録が可能です。またデータを圧縮できるので、ファイルサイズも小さくできるメリットがあります。
一方、圧縮率を大きくしていくと元データに比べブロックノイズや、モスキートノイズと呼ばれるノイズが発生しやすくなります。「ファイン」はデータを圧縮する度合いが少ないため、「スタンダード」よりも画像劣化が少ないです。
スタンダード(JPEG形式)
カメラで撮影した画像をJPEG形式で記録されます。(カメラで設定された露出やホワイトバランス、色合い等が反映された画像で記録されます。)
データ圧縮が「ファイン」等に比べて大きくなるので、画像の劣化は「ファイン」より大きくなります。
利点としては、ファイルサイズが小さくなるので「たくさん撮れる」「データが軽い」などです。
RAW+JPEG
RAW形式のデータとJPEG形式のデータを同時に記録します。
「RAW+JPEG」は同時に「RAW」と「JPEG」二つのファイルを記録します。後々「RAW」で調整しておけばよかったと、後悔する可能性があるのであればこちらを選んで記録しておく事をお薦めします。ただし、RAWデータは「RAW現像ソフト」以外では見る事も編集する事も出来ません。またデータ容量をたくさん消費しますので記録枚数が少なくなります。
初心者の方はJPEG形式(ファインかスタンダード)でいいと思います。今後、RAW現像を考えている方は、「RAW+JPEG」を選択する事をお薦めします。

初めは「JPEG」でたくさん撮影をしてきましょう。「ファイン」か「スタンダード」を選ぶ基準は、実際に比較撮影してみて画質の差を感じないのであれば「スタンダード」でも問題ないです。SDカードの容量に余裕がある場合は「ファイン」を選ぶ方が無難だと思います。
初心者が理解する「フィルター」について
各メーカーには専用の「フィルター」効果を加えた写真が撮影できます。ソニーでは「クリエイティブスタイル」「ピクチャーエフェクト」等どちらも映像の質感や、色味を変えたいときに使用します。
クリエイティブスタイル
「クリエイティブスタイル」は、カメラにあらかじめパラメーターをセットされたモードです。「ピクチャーエフェクト」に比べ、変化は少ないのが特徴です。また、モードごとに色合い・色の濃さ・コントラスト・シャープ等調整が出来るのでこだわる方は調整して下さい。
ピクチャーエフェクト
「ピクチャーエフェクト」は、カメラにあらかじめパラメーターをセットされたモードです。「クリエイティブスタイル」よりも、より印象的でアーティスティックな表現の画像となります。
Dレンジオプティマイザー
「Dレンジオプティマイザー」とは、明暗差の大きいシーンで、暗部を持ち上げたり明部を落としたり画像を補正する機能です。

写真は、実際に見た目よりも暗部がより暗く写る傾向があるように思います。RAW現像をする場合は、暗部を持ち上げる事で見た目に近づける事が可能ですが、カメラ設定の撮影で完結する場合はこのDレンジオプティマイザーを使う事で見た目のバランスに近づける事が可能です。設定も「オート」や「レベル」ごとに選択が可能となっています。
初心者にすすめる「オートレビュー」について
シャッターを押した後に、写した写真が表示されます。設定時間は撮影した画面が表示される時間です。
撮影スタイルにもよると思いますが、1枚撮影する毎にピントのズレがないかチェックされる人以外は「切」を選んだほうがいいです。
「切」がいい理由として、リズムにのって次々と撮影する事が可能である事です。また、動くものを連続して撮影する場合、都度プレビュー画面が出てきては連続撮影ができません。
(設定は「10秒」「5秒」「2秒」「切」などから選択できます。)
※カメラによって違います。

写した写真を確認したい場合は、必要な時に再生ボタンを押してチェックすればいいのでオートレビューは「切」がお薦めです。
初心者にすすめる「その他機能」について
カメラ撮影をおこなう上で、便利で役に立つ機能が次のとおりです。その人のスタイルや好みがありますが、初心者の方におすすめする機能は次のとおりです。
親指AF
「親指AF」とは、名前の通り「オートフォーカス(AF)」を親指で行う事です。
通常のAFは人差し指でシャッターボタンを半押しする事でピントを合わせて、押し込むことで撮影ができます。つまり人差し指で「フォーカスロック」と「撮影」の二つを操作しています。
「親指AF」はカメラ本体のカスタマイズ機能で、親指の位置にあるボタンに「AF」の機能を登録する事で「フォーカスロック」が可能となります。つまり親指のボタンが「フォーカスロック」で人差し指のシャッターボタンが「シャッター」の機能を持たせて撮影が出来ます。
どのような場合に役に立つのか説明すると、一定の焦点距離で何枚も撮影をする場合通常のAFだと都度「ピント合わせ」⇒「シャッター」を繰り返します。(実は、シャッターボタンを半押しのまま戻してさらに押し込む事で「フォーカスロック」したまま連続撮影は可能です。しかしデリケートな操作となるため難しいのが問題です。)しかしこの「親指AF」を利用すると、親指で「フォーカスロック」させた後は「人差し指」でシャッターを切るだけとなります。フォーカスロックしたままシャッターボタンを何回も押す事が出来るので、安定した連続撮影が可能となります。さらにAFモードを「AF-C」を選んで組み合わせる事で、被写体が前後に動いてもリアルタイムでピントを合わせ続けながら連続撮影が可能となり非常に便利です。
また、DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)を使う場合にも、親指で「フォーカスロック」をして、「フォーカスリング」を回す事でMF(マニュアルフォーカス)に切り替わり拡大画面にてピントを正確に合わせた後、再度フレーミングを合わせ直したい場合に人差し指を軽く押す(半押し)事で「拡大」を解除できます。
※DMFは「拡大」を解除するには、設定項目の「ピント拡大時間」で「2秒」や「5秒」に設定しでその時間が過ぎるまでじっと待つしかないです。待っている間は体が少しでも前後に動くとピント位置もズレてしまうのでたとえ設定を「2秒」にしても苦痛でしかありませんでした。しかし「親指AF」と併用する事で、設定項目の「ピント拡大時間」に「無制限」を選択する事で、任意で「拡大」を解除が出来るのです。
水準器
「水準器」機能がある場合は必要に応じて表示させて撮影することで、水平がとれて安定した写真になります。
カメラによって「水準器」が搭載されている場合、画面に表示できるように常に表示させておくか、切り替えで非表示にすることも出来るので必要時に表示できるように設定した方がいいです。
「水準器」は画面内に出ると邪魔な場合があるので適材適所となります。しかし、水平で撮影する事は風景写真を撮る上では重要です。
わざと傾けて撮るテクニックもありますが、やはり基本は水平に撮影する事をおすすめします。写真に安定感が出ます。
※傾きに関しては、「RAW現像」や、「画像編集ソフト」で補正できます。ただし、傾き補正が大きい程、左右上下と画像が小さく削られていきますので注意して下さい。
ヒストグラム
「ヒストグラム」は表示の邪魔にならない場合は、常に表示させて「白とび」「黒つぶれ」など見るクセをつけるといいです。
ヒストグラムの見方として「左にあると暗く」「右にあると明るい」と覚えて下さい。
撮影時の画面に邪魔をする場合は、切り替えをして非表示にすればいいだけです。
こちらも画面に表示される事で邪魔に感じるとは思いますが、大きなメリットがあります。ヒストグラムの見方は次のとおりとなります。
※白黒写真だと理解しやすいと思います。森の部分は黒色から濃いグレー色なので、左側に山が出来ていいます。一方、空は白色に近いので右側に山が出来ています。中間のグレー色はあまりないので、ヒストグラムの真ん中は抜けたようになっています。ヒストグラムはこのように色の濃淡がどの位置に多いかを表しています。
私も過去はJPEGで撮影していました。カメラのファインダーやモニターを見ながら明るさ(露出)を調整をします。しかし周りの状況や眩しさによって明るさの基準が変わるので、ヒストグラムを見ながら明るさの調整を行う事で、明るさや暗さのイメージが把握しやすく大変便利です。
また、明暗差があるシチュエーションだと「白とび」「黒つぶれ」が発生する事があります。こういった場合にも「白とび」が発生しないように、明るさ(露出)を下げるといった調整が可能となります。

ヒストグラムは便利で重要な機能です。ぜひ活用してください。
カメラのディスプレイだけに頼るのではなく、ヒストグラムの情報も頼りにして露出補正をするクセをつけて下さい。
カスタマイズ
カメラには自分で使いやすいように、カスタマイズ機能が搭載されています。
カメラの設定を変更するには、どんどん深い層まで入っていかないと設定変更できません。
そのために、「ファンクションボタン」や「カスタムキー」といったすぐに呼び出せるようにカスタマイズボタンが搭載されています。
※但し、全ての機能を自由にカスタマイズする事はできず、決められた機能しかカスタマイズできません。
カスタムボタン
カメラ本体に「カスタム1(C1)」や「カスタム2(C2)」のように物理ボタンがあるので、設定から割り当てる事でカスタマイズできます。カスタムボタンは1回押したらその機能が動作する、またはそこから選択する事が出来るのでよく使うボタンを登録しましょう。
※メーカーにより名称が違います。
ファンクションボタン
こちらは物理ボタンの中に、数個を設定から割り当てる事でカスタマイズできます。
ファンクションボタンは、1回押して複数個の設定から選ぶ事になるので、カスタムボタンより1回分ボタンを押した後に選択する必要があるので手間が増えます。
※メーカーにより名称が違います。

高級なカメラになるほど操作性を上げる為、物理ボタンも多くカスタマイズ機能が充実しています。入門機のミラーレスカメラはボディがコンパクトな傾向にあり、物理ボタンも少なくカスタマイズ機能が弱いです。必要な機能を選りすぐりながら設定しましょう。
グリッドライン
グリッドラインは「3分割」がおすすめです。線の数も少ないので目障り感はないですし、平行に撮影するのに役立ちます。
写真を撮影するのにカメラのモニターを見て撮影する際に、構図(画面レイアウト)を画面ごしに見ることでバランスよく撮影する事ができます。
3分割
3分割された線の交わった4か所付近に、メインになる被写体を配置する事で、バランスがとれた構図になります。
方眼
3分割よりも線の数が増えることで、構図の傾き等が確認しやすくなります。
対角+方眼
方眼に対角線が入ったことで、斜めを意識した表現がしやすくなります。
切
グリッドラインを表示されません。

最終的に、グリッドラインは好みとなります。いろいろなパターンで撮影してみてください。その中で自分の好みにあうグリッドラインを使えばいいと思います。
最後に
ここでは、初心者の方向けに撮影前の設定について説明してきました。
初心者の方はとにかく、たくさんの撮影をしていきながらカメラに慣れていきましょう。失敗しながら経験を積むことが大事だと思います。撮影するとき、1枚撮って終わりではなく同じ写真を数枚撮影されて下さい。後で見返したときに「ピント」がズレていたなんて事も何度もありました。そうならないように数枚撮影する事で保険がききます。
カメラ用語も少しずつ覚えたり、撮影するためのカメラ設定や扱いになれる事も必要です。
カメラの設定や撮影の構図(画面レイアウト)は、実際の現地に行ったがどう撮影すればいいか迷ってしまう方もいると思います。
撮影のテーマや対象物を決めて、何を考え意識して撮影しているかを記事にしていきますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
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