「オートフォーカス」という言葉はカメラで撮影をしている方であればよく聞く言葉だと思います。
オートフォーカス(AF)とはカメラが自動でピントを合わせる機能の事で、デジタルカメラやスマートフォン(スマホ)では当たり前に使われている機能ですよね。
昔はピント合わせは手動で合わせる「マニュアルフォーカス(MF)」で行っていましたが、カメラやレンズ技術が進化する事で「オートフォーカス(AF)」の時代が始まり、現代に至るまで性能はどんどん進化しました。
iPhoneを始めスマートフォン(スマホ)では、カメラを撮影したい被写体へ向ければ瞬時にピントが合い、あとはシャッターボタンを押すだけで撮影する事が出来ます。
つまりそれだけAFという機能が当たり前になりすぎて、ピントをどこに合わせて撮影するという考えが薄れつつあるのかもしれません。
しかし、デジタル一眼レフやミラーレスカメラは撮像素子(イメージセンサー)がスマホに比べて圧倒的に大きなサイズであるため、被写界深度が浅く(ピントの幅が狭い)なる事でピント合わせがよりシビアになります。
オートフォーカスはカメラが自動で行うようになれば、初心者の方でも簡単にピントを合わせる事が可能ですが、設定方法やオートフォーカスについて理解をしていないと思った位置にピントを合わせる事が出来ません。違った位置にピントが合うという事は、つまり失敗写真を量産してしまうという事です。
この記事は、初心者の方がオートフォーカスを理解して操作できるように説明をしていきたいと思いますので、少しでも撮影の参考になればと思い書いております。
説明する機材はソニーミラーレスカメラのα6000を使って解説していきたいと思います。

基本的にどのメーカーのカメラを使っても操作方法は似ていますが、名称など一部違うところがあります。その場合は取扱説明書等を見て言葉を置き換えてご理解して下さい。
ミラーレスカメラのオートフォーカス(AF)とは?【初心者向け】
オートフォーカス(AF)とは読んだとおりの意味で、「オート(自動)」「フォーカス(焦点・ピント)」つまりカメラが自動でピントを合わせてくれる機能の事です。
カメラのピント合わせは撮影者が手動で合わせる「マニュアルフォーカス(MF)」から「オートフォーカス(AF)」に進化し、ピントの速度や精度が時代と共に進化しており特に動く被写体を捉えてリアルタイムで追尾する機能は年々進化しています。
特に被写体を「人間」「鳥」「電車」等を選択する事で、カメラが被写体にピントを合わせてくれたり、人間の目や犬・猫の目にピントを合わせてくれるので、動きまわる動物の撮影でも構図を意識しながら撮影に集中できるなど大きく進化しました。
オートフォーカス性能が大幅に進化したとはいえ、撮影する被写体のコントラストによってオートフォーカスのピント精度は左右されます。
ピントが合いやすいかどうかは次の条件で決まってきます。
・コントラスト(明暗差)が強い箇所。
・ボコボコしたりザラザラした物など影が出来る物はピントが合いやすい。
・コントラスト(明暗差)が弱い箇所。
・ツルツルした物は影が滑らかに出るのでピントが合いにくい。
オートフォーカスと被写界深度について
オートフォーカス以外に、大きく関係する被写界深度について知っておく必要があると思うので説明します。
カメラ撮影で手前から奥まですべてにピントを合っているように撮影する方法をパンフォーカスと言います。
つまり、パンフォーカスで撮影をすればピントを合わせる必要がないという事になります。(撮像素子のサイズもあるので現実的には手前から奥までピントをキッチリ合わせる事は簡単ではありません。)
一眼ならではの、主題にピントが合って背景がボケた写真を撮る場合にピント位置が重要になってきます。ボケた写真を撮るという事は、ピントの合った場所のピント範囲が狭いという事になります。
ピント範囲の幅を「被写界深度」といい、被写界深度についても説明をしていきたいと思います。
・カメラの撮像素子(イメージセンサー)が大きい程、被写界深度が浅くなる。
・F値が小さい程、被写界深度が浅くなる。
・焦点距離を長くする程、被写界深度が浅くなる。
・被写体とカメラの距離が近い程、被写界深度が浅くなる。
※パンフォーカスにするには逆の事をすればいいのです。
被写界深度が浅くなる程、ピントを合わせた場所より前後にピントがズレないようにしなければなりません。
例えば、一眼レフやミラーレスカメラと、iPhone等のスマートフォンだと撮像素子の大きさがまったく違います。同じF値のレンズでも、撮像素子の大きさで背景のボケが大きく違います。

つまり、一眼レフやミラーレスで撮影すると、撮像素子が大きいので被写界深度が浅くなりオートフォーカスが被写体に合っていないと甘い写真になってしまします。
※甘い写真(手ブレしたり、ピントがキチンと合っていない写真を言います。)
逆に、被写界深度を深くして撮影すると手前から奥までピントが合うので、被写体以外の場所にピントが合っても被写体にもピントが合っています。
被写界深度を浅くした場合と、深くした場合とでどのような感じの写真になるか見てみましょう。

このように手前のペンにピントを合わせて、絞り値を「F2.8」に設定すると、奥のペンはボケてしまします。しかし絞り値を「F22」まで絞ってあげると奥のペンにもピントが合っているのが分かると思います。
つまり被写界深度が浅い程、また撮影距離が近い程ピント位置がシビアになり、シャッターを押す時に体が少し前後に揺れるとピントの合っていない写真になる事もあります。
次の写真は、撮像素子がAPS-CサイズのミラーレスカメラとF値の小さいレンズの開放で撮影しています。つまりピント位置がシビアな状態での撮影です。

被写界深度が浅くなる条件で撮影すると背景は大きくボケて、奥にある花もボケています。
2枚の写真はなぜこのような結果になったのでしょうか?実は、左側はピント位置を花の蕊に合わせて撮影し、右側はピント位置をオート(ワイド)で撮影しました。右側のオートでも花がピント位置になっていましたが、蕊は花びらより少し奥にあるため被写界深度から外れたのかもしれません。
ねらった場所にピントがキチンと合うかどうかはオートフォーカスの設定が重要です。
オートフォーカスが合いやすい条件とは
オートフォーカスは条件によって、ピントが合いやすい場合と合いにくい場合があります。基本的にはコントラスト比が大きい箇所はピントが合いやすくなります。
明るい場所(コントラストが強い)
コントラストが強いという事は、明暗差が大きいという事です。晴れた日中に出歩いた場合、影が強く出るような場合などがそれです。光と影がクッキリとしたものはピント精度も上がり、ピント速度も素早く合致して撮影する事が出来ます。

光が当たった花びらには影が出来るのでコントラストが強く出るのでAFが合いやすい状況となります。
ピント位置を自分で決める場合は、フォーカス枠を花の面よりも花のエッジ部分や陰影が強い位置に合わせるのがコツです。

②のようにザラザラした質感や、デコボコした陰影もコントラストが強いのでAFが合いやすいです。
ピント位置を自分で決める場合は、フォーカス枠を窪みがある光と影の所に合わせてあげると瞬時にピントが合います。
暗い場所(コントラストが強い)
暗い場所での撮影はピントが合いにくくなりますが、光と影の明暗差があればピントが合います。
※明るい日中に比べてピント合致スピードは劣ります。

夜間ライトアップは空の暗さと電球の明るさによるコントラストの高いシチュエーションとなる為、ピントが合いやくなります。
ピント位置を自分で決める場合は、フォーカス枠に暗い部分と明るい部分をいれる位置に合わせると問題ありません。

日没など逆光のため建物等はシルエットとなり、空の明るさと建物とのコントラスト差によってオートフォーカスが合いやすくなります。
ピント位置は、フォーカス枠に暗いシルエットと空の明るい部分をいれる位置に合わせれば大丈夫です。
オートフォーカスが合いにくい条件
それでは、逆にオートフォーカス(AF)が合いにくい条件です。
AFが合いやすいパターンの逆、つまりコントラストが低い場合となります。
明るい場所(コントラストが弱い)
明るい場所の撮影でも雲が薄い場合などは、コントラストが低いのでオートフォーカスは合いにい状態となります。
空と虹のみを撮影したい場合は、虹にも雲もコントラストが低い為ピントが合いません。その場合は建物と一緒に撮影した後、トリミングで下の建物を切り取る方法があります。もう一つの方法はピントを建物に合わせてから構図を空と虹にもっていき、建物が画面に入らないように撮影するテクニックがあります。
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青空に虹が出て空と一緒に撮影したい場合は、遠くの建物にピントを合わせて(フォーカスロック)からカメラを動かし構図を決めるようにします。
暗い場所(コントラストが弱い)
全体的に暗い場所での撮影は、基本的にオートフォーカスが合いにくいです。全体的に暗い場所はコントラストが低いからです。ピントが何とか合っても写真を見たらピントが甘い写真に仕上がる事も多々あります。(低照度の環境でもオートフォーカスが合ってくれるカメラもありますが、基本的には合いにくいもしくは合わないと考えて下さい。)
この写真は部屋を暗くしすぎたので、オートフォーカスは合いませんでした。そのため、マニュアルフォーカスでピント位置をマニュアルで合わせて撮影しています。もう少し明るい環境であれば私のカメラでもなんとかピントが合っていたかもしれません。(※マニュアルフォーカスについてはまた別の記事で説明をします。)

室内の電球を豆球にして撮影したので、所々電球の光で反射していますがこの程度の光ではオートフォーカスは合いませんでした。
オートフォーカスが合わない条件
オートフォーカスが機能しない場合もあります。
それは、レンズにはある一定以上の距離が離れていないとピントが結べない幅があります。レンズのスペックに記載されている「最短撮影距離」というのがそれに該当します。
「最短撮影距離」とは、レンズ毎に変わってきますがその距離より遠くからピントが合うという距離の事です。短ければ短い方が撮影の幅が広がるので、レンズを購入する時はこの「最短撮影距離」が短いレンズがお薦めです。
レンズの最短撮影距離より近い場合
さまざまなカメラレンズによって「最短撮影距離」は違います。
50cm程離さないとピントが合わないレンズもあれば、10cm程でピントが合うレンズもあります。
「最短撮影距離」より近い距離でピントを合わせようとしてもピントは絶対に合わないのでレンズの特性をしっかり理解して撮影しましょう。
暗すぎてカメラがコントラスト差を認識できない場合
ある程度の暗さであれば、カメラがコントラスト差を認識してオートフォーカスが動作するのですが、限界を超えた暗さだと動作したもののピントが合わないといった事になります。
※マニュアルフォーカスでピントを合わせて撮影するしかありません。
凹凸のない無地でコントラストが低い被写体
オートフォーカスのピント位置はコントラスト差で判断しているので、凹凸のない単色で塗られた壁などをピント位置に合わせるとピントは合いません。このような看板は凹凸のない状況になります。

ミラーレスカメラのオートフォーカス(AF)の機能や設定について【初心者向け】
オートフォーカスを使って写真を撮る前に、カメラでオートフォーカスを正しく設定する必要があります。大きくわけて2つの機能を設定します。
・オートフォーカス(AF)のフォーカスモード
※フォーカスモードの決定で、AFの種類が決まります。
・オートフォーカス(AF)のフォーカスエリア
オートフォーカスは次の図のような動作をします。(ソニーのミラーレスカメラα6000)
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オートフォーカスのフォーカスモード(種類)でピントを合わせて、フォーカスエリア(範囲)でピントの範囲を設定します。
オートフォーカス(AF)のフォーカスモード
オートフォーカスには3つの動作モードがあり、必要に応じで切り替える事が出来ます。
適切なモードを選択することで、撮影状況に応じた撮影をする事が出来ます。
・AF-S(シングル オートフォーカス)
・AF-C(コンティニュアス オートフォーカス)
・AF-A(AF制御自動切り替え)
※ここではオートフォーカスの説明をするため「DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス」や「MF(マニュアルフォーカス)」は省略します。
AF-S(シングル オートフォーカス)
静止している被写体を撮影するのに適したモードとなります。
AF-Sは、シャッターボタンを半押しする事でピントを合わせてからシャッターボタンを押し込む事で撮影をする事が出来ます。
シャッターボタン半押しでピントを合わせた状態となるので、そのまま左右上下に動かして構図を整えてから撮影するテクニックがあります。
気を付けたいのが、被写体にピントを合わせた後にその被写体が前後に動いてしまう事です。フォーカスロックした後、カメラを前後に動かすとピント位置がずれるので注意が必要です。
※フォーカスロック(ピント位置がロックされる)

このように動かない写真を撮る場合と「AF-S」は相性がよく、しっかりとピントの合った撮影が出来ます。

動かない風景写真などは「AF-S」で撮影するのがお薦めです。また遠くの風景はフォーカスロックして構図を整えたりと使いやすいフォーカスモードと言えます。
AF-C(コンティニュアス オートフォーカス)
動いている被写体を撮影するのに適したモードです。
AF-Cは主にスポーツや動物など常に動いている被写体を撮影するときに使用します。
このモードは、被写体が前後に動いた場合でもピントを常に合わせ続けてくれるのが大きな特徴です。
注意点としては、明るいところでピント精度はよいのですが、光の少ない場所で撮影をする場合はピント精度が落ちたり、ピントが合致しない場合があります。
スポーツや動物の撮影以外にも風に揺れる花などを撮影する場合にもいピント位置を追従してくれるのでお薦めのモードです。
※追従の性能はカメラの性能に依存します。

不規則に動く物を撮る場合は、「AF-C」で撮るのがお薦めです。

被写体が前後に動いてしまう場合には、AF-Cに設定して撮影するとフォーカスが追従してくれるのでピンぼけのリスクが減ります。
また、AF-Sに比べてフォーカススピードが速くなります。明るい場所であればピント精度も問題ないけど、暗い場所だとピントが合わない場合があるので注意が必要です。
AF-A(AF自動切り替え)
被写体の動きをカメラが判断することで「AF-S」と「AF-C」を自動で切り替えるモードです。
被写体が動いたり、止まったりと不規則な場合に適したモードとなっています。AF-Aは、撮影者が選択してほしいモードをカメラが選んでくれるとは限らないのが欠点です。撮影者が実際に使用してみて使いやすければ使えばいいと思います。
私はカメラに判断してもらうより、自分でAF-SにするかAF-Cにするかを選んで撮影する方が撮影に失敗しても納得できるのでAF-Aは使わないです。

猫など動きが不規則な場合は、AF-Aを利用すると自動でAF-SかAF-Cを選んでくれます。
カメラを始めたばかりの方で、AFモードを選んで撮る余裕がない場合にはこのモードを使うといいのかもしれません。

正直なところ、AF-Aはカメラを始めてまだオートフォーカスに慣れていない人向けの機能だと思います。
被写体がどのように動くのか想定出来ない場合に、カメラがAF-SかAF-Cを選んでくれます。
オートフォーカス(AF)の種類
オートフォーカスには「位相差検出式」と「像面位相差式」「コントラスト検出式」の3種類の方式が主流で、カメラによって搭載されるオートフォーカスが違ってきます。
どの方式を選択するかによって撮影スタイルやピント速度・精度も変わってきます。
位相差AF(位相差検出式)
「位相差AF」は、基本的にデジタル一眼レフカメラに搭載される技術です。
このオートフォーカスは、専用のAFセンサーを搭載して結像位置のズレを計測する事でピントを合わせます。専用のAFセンサーを搭載され、長い年月をかけた実績のある方式でAF速度は最も速いのですが、小型ボディのミラーレスカメラは像面位相差AFを採用されています。そのため現在、一眼レフカメラにのみ搭載される方式です。
・高速なピント合わせが可能
・動いている被写体(スポーツ撮影・野鳥撮影等)に強い
・専用のAFセンサーを搭載する必要があるため、カメラのサイズが大きくなる
・ピント精度に関して「コントラストAF」より劣る
像面位相差AF(像面位相差式)
「像面位相差AF」とは、画像センサーの画素にAFセンサーを組み込んで位相差を検出する方式です。
画像センサー内にAFセンサーが組み込まれているので、一眼レフの位相差専用のAFセンサーがない分、カメラ本体のサイズを小さくする事が可能です。現在のミラーレスカメラのほとんどがこの像面位相差AFをメインに採用しいます。
・高速なピント合わせが可能
・動いている被写体(スポーツ撮影・野鳥撮影等)に対応できる
・専用のAFセンサーが不要なのでカメラサイズを小さく出来る
・暗所ではピントが合いにくい
・画素を像面位相差のセンサーに置き換えているので画質への影響が懸念される
コントラストAF
「コントラストAF」は、画像センサーのピントを合わせて最もコントラストが高くなる(ピントが合致する)ところで撮影をする方式です。
一眼レフの位相差AFのように専用のAFセンサーが不要である事から、コンパクトデジカメに採用されている方式で、画像センサーのピントを合わせて最もコントラストが高くなる(ピントが合致する)ところで撮影をする方式です。
コントラストが高くなるところで記録する分、ピント精度はいいのですがAF合致スピードが遅いのが難点となります。
※コントラストAFの欠点である、AF合致スピードが遅いのはパナソニックの空間認識AFでは大幅に改善されています。しかしながらAF-CのようにリアルタイムでAFを合わせ続ける事は物理的に像面位相差AFに比べて劣ります。
・AF精度が高い
・専用のAFセンサーが不要
・AFエリアが「位相差AF」よりも広い
・暗所でのピント合わせに強い
・AF合致スピードが遅い
・動体撮影が苦手

オートフォーカスの種類は。それぞれ得意なところと不得意なところがあります。撮影状況に応じで使い分けるのがいいと思います。

スポーツや鳥のような撮影だと、位相差AFや像面位相差AFが必要だけど、風景写真や物撮りはコントラストAFでも問題ないって事だね。
オートフォーカス(AF)フォーカスエリア
オートフォーカスエリアとは、オートフォーカスが機能する範囲の事です。
選択する機能として一般的に「ワイド」「ゾーン」「中央重点」「スポット」の4種類があります。
・ワイド
・ゾーン
・中央重点
・スポット(フレキシブルスポット)
撮影者が写真を撮るシチュエーションによって、4つのフォーカスエリアを選ぶ事で撮影がしやすくなります。
ワイド
画面ほぼ全体がAFエリアとなり、カメラが自動で被写体を検知するモードになります。
広い範囲の中からピント位置をカメラが判断するため、撮影者が思ったところにピントが合わない場合があります。
ピントが合う位置はコントラストの高い場所だったり、画面中央付近の物に合うという特徴があります。
α6000では179点の位相差AFに25点のコントラストAFによって、広範囲のフォーカスエリアでピント位置をカメラが決めてくれます。
※オートフォーカスの種類によって「像面位相差AF」か「コントラストAF」が決まります。
「ワイド」の利点として、動きが不規則な物を撮影する場合や、撮影を始めたばかりの人がピント位置を決めるのが困難な場合に使用するのがいいと思います。


像面位相差AFとコントラストAFでは測距点数の違いはありますが、広範囲がエリア範囲(黄色)となっています。
ピントを合わせるのはカメラにお任せして、撮影者は構図や露出に集中したいという方に適しています。
また、被写体が動いてピントを合わせるのが困難な場合にも役に立つモードだと思います。被写体が動かない場合のAF動作モードは「AF-S」、動く場合や可能性がある場合は「AF-C」にするのが好ましいと思います。
被写界深度の浅い撮影や奥行きのある撮影をする場合に、撮影者が合わせたピント位置に合ってくれない事があります。カメラが被写体を判断する以上どうしても避けられない問題という事です。
ゾーン
「ゾーン」は「ワイド」より少し狭い範囲となるので、被写体がある程度動きの範囲が推測できる場合に使用するのがいいと思います。
ピント範囲が「ゾーン」より狭いため、被写体にピントが合う確率が「ワイド」より上がる事になります。
※α600の場合、画面に「5✕5」の25枠の中から「3×3」の9枠がAF枠となり、ピントを合わせたい箇所へ移動させる事が出来ます。

黄色の枠を任意に動かして設定が出来ます。ワイドより狭い範囲ですが十分な広さをカバーできるのがゾーンの特徴です。
ピント位置をある程度撮影者が決める事が出来る事で、「ワイド」よりも狙った所にピントが行きやすくなります。
このモードはある程度動きの予測がたつ被写体を撮る場合に使うのがいいと思います。
「ワイド」同様、被写界深度の浅い撮影や、奥行きのある撮影をする場合に撮影者が合わせたピント位置に合わない場合があります。
中央重点
画面中央付近の枠内でピントが合います。
写したい被写体が中央にいない場合は、被写体にピントを合わせて(フォーカスロック)から構図を変えて撮る必要があります。
※フォーカスロックして構図を変える場合は、「AF-S」を選択する必要があります。

黄色い枠の1点がAFエリアとなっていますが、このエリア内のどこにピントが合うかはカメラが判断します。基本的にコントラストが高い場所をカメラが選んでオートフォーカスが機能します。
被写体を中央のピント枠に捉えてフォーカスロックするので、撮影者が被写体にピントを合わせて撮影をする事が出来ます。構図もフォーカスロック後に整える事が出来て、素早く操作できる方法ですのでお薦めのモードです。
特に近い距離で撮影する場合、コサイン誤差によるピントのズレが発生するので注意が必要です。また、ピントを合わせるピント枠が少々大きいので細かい場所にフォーカスが合わない場合もあります。
「ロックオンAF」と併用したいのであれば、「中央重点」で撮影でいいですが、そうでない場合は「スポット」で撮影した方が、ピント枠のサイズ変更や移動が出来るのでお薦めです。
コサイン誤差とは
遠景の風景写真を撮る場合は、フォーカスロックしてからカメラを動かして構図を整えても問題はありませんが、近景で撮影する場合はコサイン誤差に気を配る必要があります。
コサイン誤差について簡単に説明をします。

図1のようにカメラから花の方へ向けた場合、ピント位置は水色の水平線上になります。
フォーカスロックしてカメラを動かす場合、水色の線上にピントが合っているので、カメラを傾けるのではなく水平に動かして撮影する事でピントが甘くならずに撮れます。

では、図2のようにカメラを軸に振って動かすと、最初は水色の水平線から紫の線がピント位置に変わってしまいます。
カメラを軸にして動かした事で花のピント位置が少し変わったのが理解できると思います。この差を「コサイン誤差」といい、ピント範囲がズレる事で被写体の写りが甘くなります。
距離が遠い場合や、F値を大きくして被写界深度を深くすればコサイン誤差は無視できるレベルですが、被写体が近い場合やF値を小さくして撮影する場合はコサイン誤差が発生するので注意する必要があります。
スポット(フレキシブルスポット)
スポットは主に、風景写真と相性がよくフォーカス枠を画面内の好きな場所に移動でき、フォーカス枠のサイズも「L・M・S」を選択する事で細かな場所にもピントを合わす事が出来ます。
「スポット」を「L」サイズにして中央に配置すれば「中央重点」と同じ機能となりますので、「中央重点」より「スポット」を利用するメリットが大きいといえます。

緑色の枠内で、Lサイズの範囲を縦17段階、横15段階に任意に動かす事が出来ます。

緑色の枠内で、Mサイズの範囲を縦19段階、横15段階に任意に動かす事が出来ます。

緑色の枠内で、Sサイズの範囲を縦19段階、横17段階に任意に動かす事が出来ます。
スポットだとピントを合わせる枠を任意に動かす事が出来るので、中央重点のようにピントを合わせた後にカメラを動かす必要がないので「コサイン誤差」によるピントのズレが発生しません。
特に風景写真などの場合、私は「スポット」を選択して撮影をしています。どこにピントを合わせたいかを撮影者が決めて、ピント位置にフォーカス枠を動かしてから撮影する事で撮影者の望んだ場所にピントがあった写真を撮る事が出来ます。
被写体が画面内で動き回ったりする以外の撮影は、「スポット」で事足りると思います。ピント枠を移動させたり、枠のサイズを変更する事が出来るのでより細かい所にピントを合わせる事が出来て大変便利です。
またピント位置を動かせる事により「中央重点」の欠点であるコサイン誤差によるピントのズレも回避出来るので風景写真を撮る場合は「スポット」を選ぶのがお薦めとなります。
α6000の場合、「スポット」はピント枠を移動するために中央の決定ボタンを押すのに対して、「ワイド・ゾーン・中央重点」は中央の決定ボタンを押す事で「ロックオンAF」として動作する仕様となっています。スポットは「ロックオンAF」にすぐに移行出来ないのが欠点です。
また素早く動く鳥や動物を撮影する場合は、画面全体からピントを合わせてくれる「ワイド」や「ゾーン」の方がピントが合う確率が高いと思います。
最後に
オートフォーカスの種類や設定によって、最適な撮影方法のイメージが出来たのではないでしょうか?
後は実際に自分のカメラとレンズを使って操作しながら自分に合ったスタイルで撮影をするのが一番だと思います。私もメインで使っているミラーレスカメラで操作をして感じた事を記事にし、これからカメラを始める初心者の方へお伝えをしています。
撮影の基本である「オートフォーカス」をしっかり理解されて、主役である被写体にキチンとピントを合わせて満足のいく撮影をしながら写真撮影の楽しさを味わっていただければと思います。
それでは最後までこの記事を読んでいただきありがとうございました。他にも初心者の方に向けたカメラの記事を、これからもどんどん書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。


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